promise 107

promise 107 2012.02.09
家からの最寄り駅にあるコンビニの前に到着する。

携帯電話を取り出して時間を確認する。

約束の時間である10時10分前。

仕事が不規則で夜型の敦にしてはこの時間の待ち合わせは珍しい。

大抵、何をするにせよお昼前後になるはずなのに。

それにしても脚がスースーしてなんだか落ち着かない。

履き慣れないスカートを着ているせいなんだけれど、

こんなにも風が入るのならいっそ

いつもと変わらないジーンズにすべきだっただろうか。

そう思いながら流れていく人の波をぼうっと眺めていた。

「おう、彩加。」

大きな声で呼びかけられ、その声のする方へ顔を向ける。

「敦! ど、どうしたの? それ……」

笑顔で現れた敦の姿に思わず絶句して言葉が出てこない。

今まで遊び人風だった敦がすっかり変わってしまっていた。

毛先を遊ばせていた明るめの髪が、すっかり黒くなり髪型も落ち着いている。

それに服装も、いわゆるホストのような格好だったのに、

ブラウンのシックなカットソーにダメージジーンズを合わせている。

パッと見た感じ、敦ではなく優なのではないかと錯覚してしまいそうだ。

驚きのあまり目を丸くしたまま固まる私を見て、敦はハハッと笑った。

「そんなに驚くなよ。彩加の隣にいて恥ずかしくねー感じにしたんだからさ。」

「でも、あまりにも変わってて……」

「惚れ直した?」

イタズラな笑みを見せていう敦に、私は咄嗟に背中を叩く。

確かに敦の言う通り、「惚れ直した」かもしれないけれど……。

ドクドクと激しく音を立てる鼓動で顔が赤くなるのを必死に隠す私に、

敦がそっと頭を優しく撫でた。

「俺だって彩加に惚れ直した。今日の彩加、すんげー可愛いし。」

私なりに精一杯頑張ってきた姿を敦はちゃんと見てくれていた。

決して完璧じゃない私のオシャレを受け止めてくれたことが、

私は素直に嬉しくて、心の中が甘い蜜でいっぱいになった。
Secret